LCH Ltd の受入可能担保

LCH Ltd の適格現金担保

当初証拠金 (IM):

LCH Ltd は、日中および取引終了時の当初証拠金 (IM) の担保として以下の通貨を受け入れています:

FCM 以外[1]

  • USD
  • EUR 
  • GBP
     

FCM

  • USD   
  • EUR[2]
  • GBP[2]

さらに、LCH は清算会員グループ・レベルと個別法人レベルでシンガポール・ドルを最大 5 億シンガポール・ドルまで受け入れています。

[1] 担保および流動性管理部門 (フロントオフィス・チームの連絡先はこちら) との事前合意により、清算会員は以下も預託できます :

  • スイス・フラン (清算会員当たり最大 3 億スイス・フランを上限)
  • 以下の通貨については少額での受け入れが可能です
    • 豪ドル (清算会員がオーストラリア PPS の参加者である場合)
    • カナダ・ドル
    • 日本円
    • スウェーデン・クローナ
    • デンマーク・クローネ
    • ノルウェー・クローネ

[2] FCM に関しては、証拠金が米ドルの休日に支払われる場合を除き、現金担保の受け入れは米ドルのみとなります。

変動証拠金 (VM): すべての VM の請求は、現金かつ原資産の通貨で支払う必要があります。

現金担保に関する重要事項

現金担保は、LCH Ltd との間で所有権移転方式によりやり取りされます。この際、商業銀行にある清算会員の現金口座に対して、清算機関が自動引き落としを行う権限を持つ支払保護システム (PPS) が使用されます。

シンガポール・ドル建ての現金担保は、シンガポール金融管理局の MEPS+ RTGS 口座に LCH が直接預け入れることも可能です。

LCH は、清算会員のマージン・コールに対応するため、または清算会員からの指示に基づき、担保管理システム (CMS) を通じて自動的に現金を振り替えます。

CMS は、清算会員に証拠金管理の完全な裁量権を付与しており、必要に応じて事前入金、余剰担保の回収、および担保の差し替えを行うことが可能です。

LCH Ltd に現金証拠金を差し入れる際の詳細については、LCH Ltd’s Procedures のセクション 3 をご参照ください。

支払保護システム (PPS)

LCH Ltd は、清算会員との資金振替のやり取りにおいて、支払保護システム (PPS) という自動引き落とし方式を採用しています。清算会員は、ロンドンにある PPS 参加銀行のいずれかにおいて、英ポンド、ユーロ、米ドルおよび決済が発生する各通貨ごとに、PPS 銀行口座を保有する必要があります。通貨ごとに異なる銀行を利用することも可能です。

清算会員は、米国の PPS 指定銀行いずれかに、米ドル口座を保有することも求められます。PPS 口座の運用に伴って発生する銀行手数料は、すべて清算会員の負担となります。PPS 委任状は記入のうえ、その原本は PPS 銀行に保管され、写しが LCH Ltd に提出されます。

PPS 参加行は以下の通りです。

LCH Ltd 向けの英国 PPS 銀行:

  • Bank of America
  • Barclays Bank Plc
  • JP Morgan Chase Bank
  • Citibank NA
  • Deutsche Bank AG
  • Lloyds Bank Plc
  • HSBC Bank Plc
  • Natwest Bank Plc
  • The Bank of New York Mellon
  • Bank of China Limited, London Branch

関連する英国 PPS 委任状のコピーは、以下よりアクセスできます。

LCH Ltd 向けの米国 PPS 銀行:

  • Bank of America NA (ニューヨーク)
  • The Bank of New York Mellon (ニューヨーク)
  • Citibank NA (ニューヨーク)
  • JP Morgan Chase Bank (ニューヨーク)
  • BMO Harris Bank NA (シカゴ)
  • HSBC Bank USA (ニューヨーク)
  • Bank of China Limited, London Branch
  • Barclays Bank PLC (ニューヨーク)

米国 PPS 委任状 (英語)のコピーはこちらです。

PPS 委任状の記入方法については、当社の委任状ガイド (英語)をご参照ください。

PPS 銀行の要件

PPS を運用中、または運営申請中の銀行にとっての重要ポイント:

  • LCH には 2 つの PPS インフラがあります。
    • 英国 PPS はロンドン時間 15 時 59 分 まで稼働
    • 米国 PPS は米国東部時間の 11 時から 17 時まで稼働
  • PPS インフラは SWIFT と連携して、指示の送受信を行います。
  • 英国 PPS 銀行は、LCH が営業しているすべての日に業務を行う必要があり、英国の祝日および国際的な通貨の祝日も含まれます。
  • 米国 PPS 銀行は、LCH が営業しているすべての日に業務を行う必要がありますが、米ドルの祝日には米国 PPS は休業となります。
  • PPS 銀行は、指示の作成および受信を確実に行うために、合意された緊急時対応プロセスを備えていなければなりません。
  • PPS 銀行は、年に一度のデューデリジェンス審査に参加することが求められます。

PPS オンボーディング・ガイド (英語) をご覧ください。

PPS の集中業務

支払保護システムと資金集中プロセス - リスク

PPS の集中業務
業務 時刻 (英国時間) リスク
オーバーナイト PPS コールの送付 08:00 まで 清算会員はその義務の履行に責任を負う。
PPS 銀行によるオーバーナイト PPS コールの確認 09:00 オーバーナイト PPS コールは、PPS 銀行によって午前 9 時までに確認されなければならない。PPS 銀行が集中決済銀行に資金を振り替えるまでの間、PPS 銀行が破綻した場合に備えて、清算会員が引き続きその義務を履行する責任を負う。
自動返済の支払指示の発行 09:15 自動返済 (利用可能な場合) を申請している会員には、口座に残っている余剰資金が自動的に返済される。返済 (PPS 支払) [OT1]  は、同じ PPS 銀行を利用している他の会員に対して行われたマージン・コール (PPS コール) によって、一部または全額が調達される場合がある。 [OT2] PPS の支払額が集中口座の利用によって賄われる場合、LCH の送金義務は、その集中口座から引き落としが行われた時点で消滅する。
清算会員の資金引き出し申請 09:30 自動返済を利用していない清算会員による余剰資金返還申請の締切時刻。
資金集中プロセス 09:30 資金は PPS 銀行間で振替が行われる。PPS 銀行は、指示を受け取ってから 2 時間以内に、LCH の口座から集中決済銀行へ資金を振り替えなければならない。
日中マージンコールと清算会員による事前資金拠出の申請 (英国 PPS) 09:00 - 16:00 日中マージンコールは、PPS 銀行が指示を受け取ってから 1 時間以内に確認されなければならない。
日中マージンコールと清算会員による事前資金拠出の申請 (米国 PPS) 16:00 - 21:00 同上
資金集中プロセス すべての PPS コール/事前資金拠出申請の後 清算会員は、資金が PPS 銀行にある LCH の口座に留まっている間、集中決済銀行に振り替えられるまで、PPS 銀行に対する信用リスクを負う。
投資業務 09:00 - 22:00 現金ポートフォリオの少なくとも 95% は、担保付きの形態で運用される。

PPS の集約 - 清算会員向けの革新的な選択肢

分別管理されたクライアントの口座に関して、PPS コールと支払い件数を減らしたいとお考えですか。

LCH Ltd の清算会員は、PPS 設定フォーム内に新たに導入された PPS 集約オプションを選択することで、新規および既存の両クライアント口座に対する個別のマージン・コールを、1 つの統合マージン・コールとしてまとめて申請することが可能となりました。

その後、マージン・コール (と支払) は PPS の口座および通貨単位で集約されます。

分別管理された顧客口座を、通常の「C」クライアント OSA 口座と統合したいと考えている会員は、「C」口座に対しても統合の申請を行う必要があります。

詳細については PPS 集約 (英語)をご覧ください。

即時グロス決済システム (RTGS)

LCH Limited は現在、シンガポール金融管理局 (MAS) が運営する RTGS システムである New MAS Electronic Payment and Book-Entry System (MEPS+) において MAS と口座を運用しています。 清算会員は、シンガポール・ドルの現金をこの口座に直接預け入れることを選択できます。清算会員が当サービスの利用を希望する場合、LCH に RTGS 指図書を提出してオプトインする必要があります。現在、これが唯一の RGTS 方式による取引スキームとなっています。

RTGS 指図書については、以下のダウンロード・セクションをご確認ください。

LCH Ltd における通貨の設定

LCH Ltd の清算会員は、特定のニーモニックまたはサブアカウントに対する日中の追加証拠金を支払うにあたり、希望通貨をご通知いただくことができます。

LCH Ltd に日中のマージンコールに使用する希望通貨をご指定するには、こちらのフォーム (英語) をご利用ください。

投資方針

LCH は、当初証拠金 (IM) とデフォルトファンド拠出金として受領した現金を運用しています。これらの投資において重視される主要な原則は、資本の保全と流動性管理です。具体的には、現金は以下の方法で運用されています。

  • 高品質で流動性の高い、限られた発行体による政府証券
  • 高い信用力を有する金融機関とのリバース・レポ取引等、担保付きで安全性の高い投資
  • CCP が利用可能な枠組みを有する中央銀行への資金預け入れ

現金担保の預け入れおよび引き出しの締切時刻

LCH では、清算機関への預け入れおよび清算機関からの引き出しの両方について、以下の通り締切時刻を設定しています。

一般清算会員 – 現金決済期限

一般清算会員 – 現金決済期限
指示 締切 (ロンドン時間) 通貨
現金引き出し 09:30 GBP/EUR/USD
現金引き出し 09:00 SGD
現金預け入れ 14:30 EUR
現金預け入れ 16:00 GBP
現金預け入れ 19:00 USD
現金預け入れ 09:00 SGD

FCM 清算会員 – 現金決済期限

FCM 清算会員 – 現金決済期限
指示 締切 (ニューヨーク時間) 通貨
現金引き出し 09:30 USD
現金預け入れ 14:00 USD

LCH は、5,000 万英ポンドを超える担保の差し替えについて、最低2営業日前までの通知を義務付けています。これは、現金を非現金担保に差し替える場合やその逆、および現金担保を別通貨に差し替える場合に適用されます。

LCH は清算会員に対し、会員通達で事前に通知を行うことにより、標準の通知期間を延長する権利や、特定の日を除外する権利を留保します。