FTSE Russell のインサイト

アセット・オーナーは気候インデックス・アプローチをどのように取り入れているのか

Tony Campos

Head of Sustainable Investment, Index Investments Group

FTSE Russell の最新のアンケート調査「サステナブル投資アセット・オーナー (英語) によると、気候とカーボンの問題が世界的に優先事項となっていることが分かりました。例えば、欧州の機関投資家の回答者のうち 4 分の 3 近くが、優先課題として挙げています。 

トレンドはパッシブと気候関連の投資に収束しつつありましたが、現在はさらに、気候のリスクと機会を投資戦略に組み込むために、インデックスを用いたアプローチを求める機関投資家が増えている状況です。 

欧州・中東・アフリカ地域の回答者のうち 73% が、気候/カーボンをサステナブル投資の優先事項として考えている

注: 貴社で優先事項として考慮しているサステナビリティに関する課題はどれですか? 

出所: FTSE Russell サステナブル投資アセット・オーナー 2023 年リポート

低炭素への移行に向けて進化する気候トランジション・インデックス

気候トランジションは、この分野の FTSE Russell のインデックス設計の大部分をけん引しており、コアなパッシブ・マンデートの既存の資金プールにとって、より包括的なアプローチです。株式、債券、上場インフラ、上場不動産のいずれの場合も、すべてベンチマークでカバーされています。つまり、従来の時価総額ベンチマークに類似したリスクリターン特性を有し、ベータが高いため、気候トランジションの分野はアロケーション先として賢明だということです。このアプローチでは、ダイベストメントではなく、エンゲージメントや将来見通しデータに基づいてインデックスの構成銘柄をアンダーウェイト/オーバーウェイトする微調整が行われます。

このタイプのインデックスの分析やその後のパッシブなアロケーションに用いられる「原材料」となるデータを入手する段階では、業界のパートナーシップが重要となります。Transition Pathway Initiative (TPI) (英語) は、アセット・オーナー、データ・プロバイダー、学術研究者が連携し、サステナブル投資に利用できる高品質なデータを作成するためのテンプレートを提供しています。

TPI Global Climate Transition Centre は、低炭素経済への移行における金融機関と企業の進捗状況に関する中立的で信頼できるリサーチとデータのソースとなっています。同センターの分析では、企業の気候ガバナンスと炭素排出量の両方が考慮されます。

TPI による企業の気候ガバナンス活動に対する評価は、気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD) の推奨事項に沿って行われ、企業の将来の炭素排出量は、2015 年のパリ協定で設定された地球温暖化の上限値に沿って予測されます。TPI は最近、24 の指標から成るレベル 5 を追加した、経営品質フレームワークを新たに公表しました。 (英語) 

欧州 (英国を含む) では、TPI が企業による気候変動対策ベンチマークとして急速に支持を集めており、アセット・オーナーやその投資先企業にとって実用的で使いやすいパワフルなエンゲージメント・ツールとなっています。

FTSE Russell は、化石燃料埋蔵量、炭素排出量、グリーン収益、TPI による企業の気候ガバナンスの評価、カーボン・パフォーマンスの格付けという 5 つの重要な気候指標に基づいて「気候トランジション」株式インデックスを開発しました。

この気候トランジション・インデックスというアプローチは、株式市場と債券市場をカバーする広範なサステナブル投資インデックスの 1 つです。サステナブル投資インデックスのファミリーは、進行中の低炭素経済への移行に対処するアセット・オーナーをサポートするよう設計されています。

インデックスのテーマ: 低炭素経済への移行

過去のトレンドや将来のトレンド予測から、低炭素経済で優位に立つ可能性のある銘柄へのエクスポージャーを、投資戦略において追求する投資家向けのソリューションとなるインデックス

FTSE ex Fossil Fuels 株式
FTSE EPRA Nareit Green 株式
FTSE Global Climate 株式
FTSE Smart Sustainability 株式
FTSE TPI Climate Transition 株式
FTSE Climate Risk Adjusted Government Bond 債券
FTSE Fixed Income ex Fossil Fuels Enhanced 債券

出所: FTSE Russell

TPI へのデータ提供

FTSE Russell は TPI の経営品質評価の根拠となる気候変動とコーポレート・ガバナンス関連のデータを提供します。

国際基準に基づいて 8,000 社をスコアリングし ESG への取り組みを評価する、ESG データ・モデル内の FTSE Russell 気候フレームワークは、TPI の分析の一部を構成しています。

FTSE TPI Climate Transition Index Series のデータ入力

出所: FTSE Russell

FTSE Russell は、データの提供にとどまらず、TPI のテクニカル・アドバイザリー・ワーキング・グループのメンバーとして、TPI のメソドロジーの向上にも寄与しています。

TPI はこれまで、主に欧州と株式を中心としたプロジェクトでしたが、そのアプローチは現在、他のアセット・クラスや市場にも拡大しています。2023 年の後半には社債を評価するフレームワークを開始する予定です。また 2021 年後半に、ニューヨーク州退職年金基金 (英語) は、Russell 1000 TPI Climate Transition Index をベースとするインデックス・ファンドに資産を配分することを選択しました。

長期的なリスクに対処する

サステナビリティ・データの利用の高度化が進んでいることは、アセット・オーナーが長期的な投資リスクに直面しているという認識と一致しています。

市場に関連するセンチメントの変動にもかかわらず、成熟し続けている気候トランジションというこの投資テーマへの基本的な確信が弱まる兆候はほとんど見られず、データ、情報開示、インデックス構築アプローチのさらなる進化が見込まれます。

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